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更新日:2023/05/02

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解説者鈴木良太【編集者・サイト管理人】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

プロの職人が使う塗料を塗る道具

【この記事の要約】

プロの職人たちは、建物の個所や素材によって、様々なローラーや刷毛を使います。このような道具を的確に使うことでしっかりとした塗装になります。

塗料を塗るときには、刷毛、ローラー、吹付け(スプレー)の3種類を使用します。現在、一番使われているのは、ローラーです。スプレーは特殊な工法以外ではあまり使いません。

使う道具によって耐久年数が変わると思っている方もいますが、規定の所要量(塗料の量)を守っていれば、耐久年数は変わりません。

ローラー

ウールローラーの写真 ローラーは刷毛よりも2~3倍も広い範囲を塗れて、ムラにもなりにくいので、職人の技術の差が出にくい道具です。

塗る早さに関しても、刷毛と比べるとローラーの方が2倍は早くなります。そのため、最近ではローラーが塗装の際に一番使われています。

ローラーの中にもたくさんの種類があり、一般的によく使われているローラーは、主に次のような種類です。

砂骨ローラー

砂骨ローラーは、細かい砂などを混ぜ合わせたスポンジのような素材で作られており、マスチックローラーや多孔質ローラーとも呼ばれています。

一度に大量の塗料を吸い込むことができ、ウールローラーと比べて塗布量が2~3倍になります。そのため、塗料を分厚く塗りたい時や、粘度の高い塗料を使用する際によく用いられます。

ウールローラー

ウールローラーとは羊毛ローラーとも言い、粘度が低い塗料を塗る時や、模様を潰さないように薄い塗膜を作りたいときに適したローラーです。ほとんどの場合は本物の羊毛ではなく、羊毛に似た柔らかい繊維が使われています。

また、ウールローラーは毛の長さの違いにより、大きく分けて「短毛ローラー」「中毛ローラー」「長毛ローラー」の3つに分類され、 外壁面にあわせて使うタイプを決めます。

短毛ローラー(5mm前後) 平らな面を塗装するのに適しており、凹凸がある場所で凹みの部分を塗りたくない時にも使われます。
中毛ローラー(13mm前後) 短毛と長毛の中間で、平面や凹凸問わず様々な場所で活用できるローラーです。
長毛ローラー(20mm以上) 毛足が長いため、凹凸がある場所や目地まで塗料を塗りたいときに適しています。

その他の種類

その他にも、模様付けに適したパターンローラー、仕上がりに変化を出すヘッドカットローラー、波トタン用のローラーなど数多くの種類あります。

施工場所や凹凸の有無に応じたローラーを使うことで、塗装の出来映えも大きく変わってきます。

刷毛(はけ)

刷毛の写真 刷毛は、職人による力の差が出やすい難しい道具ですが、熟練の職人が塗れば3種類の中で一番綺麗に塗れます。

マスキングテープを使わなくても真っ直ぐ直線を引けるメリットもありますが、時間がかかるなどのデメリットもあるため、あまり使われなくなってきています。

ただし、ローラーでは塗りにくい細かい部位などには今も使われます。

使用後は、しっかりと塗料を洗わないとすぐに使えなくなってしまいます。水性塗料の場合は、ヘラで塗料を落とし、水で洗い流した後に洗剤で洗います。油性塗料の場合は、ヘラで塗料を落とし、うすめ液で洗い流した後に洗剤で洗います。

刷毛の種類はたくさんあり、一番オーソドックスな平刷毛をはじめ寸胴刷毛、目地刷毛など用途に分けて適したものを選びます。プロの職人であれば10種類以上の刷毛を使い分けます。

また、毛の部分には、馬毛(天尾、振毛、胴毛、足毛)、豚毛、山羊毛、ナイロン、植物繊維の加工品などが使われており、扱う塗料や用途で使い分けます。

主に使われる刷毛の種類は、以下の通りです。

平刷毛

平刷毛は一番オーソドックスな種類で、平らな面や広い面積を塗るのに適しています。ベタ刷毛とも呼ばれ、ローラーが普及する前はメインの塗装道具として使われていました。

寸胴刷毛・寸筒刷毛

寸胴刷毛は、平らではなく丸みのある寸胴のような形をした刷毛です。毛量が多く、塗料をよく含むため、一度にたくさんの塗料を塗ることができます。また、粘度が高い塗料を使用する際にも適しています。

目地刷毛

目地刷毛は毛束が細く、目地や溝などの狭い部分を塗るのに適した刷毛です。

ラスター

ラスターは、塗装前の下地処理や掃除の際に使われるものです。ダスターと呼ばれることもあります。

鉄骨刷毛

鉄骨刷毛は、鉄部や板金、ボルト周りなどを塗装するとき使われます。

水性刷毛

水性刷毛は、水性塗料を塗るときに使われる刷毛で、主にナイロンなどの化学繊維で作られています。中には、獣毛と組み合わせて作られたタイプもあります。

吹付け(スプレー)

スプレーガンの写真 吹付け(スプレー)は、周囲への塗料の飛散、騒音の発生、ムラになりやすいことなどが理由で、一般住宅ではあまり使いません。

ただし、スタッコ、リシン模様などの模様を付ける場合には使います。吹きつけ塗装をする場合は、外壁面から20cmほどの適度な距離を取りつつ、直角に吹き付けないとムラになります。

塗装のスピードに関しては、3種類の中で一番早いです。業者によっては好んで使う業者もいます。

吹付け(スプレー) には、次の2種類あります。

エアスプレー

エアスプレーとは、圧縮した空気と塗料を一緒に噴射して、塗料を霧状に吹き付けるスプレーです。

エアスプレーは塗料の供給方法によって、3種類に分類されます。スプレーガンの上部に塗料を入れる容器が付いているものを「重力式」、容器が下部に付いているものを「吸い上げ式」、別に用意した容器からホースを使って供給するものを「圧送式」と言います。

それぞれ使い勝手や噴射できる塗料の量などが異なるため、状況に応じて適切な種類を選択する必要があります。

エアレススプレー

エアレススプレーは、空気を圧縮する方法ではなく、噴射口を小さくして塗料自体を圧縮させて噴射するスプレーです。外壁塗装で使うスプレーガンとしては、現在主流となっています。

上記のエアスプレーと比べて塗料の飛散が少なく、塗料の無駄も最小限に抑える特徴があります。また、空気を含まず塗料自体を噴射するので、広い面積にも一度に大量の塗料を吹き付けることが可能です。

まとめ

外壁塗装を行う際に使われる道具は、ローラー、刷毛。スプレーの3種類あります。

現在一般的によく用いられているのが、広い面積を塗るのに適しており、技術の差も出にくいローラーです。刷毛は細かいところを塗る際に使い、スプレーは外壁に意匠性を持たせたいときに使用されることがほとんどです。

それぞれ出来映えも変わってくるため、施工箇所やイメージする仕上がりなどに応じて、適切な道具を選ぶことが重要となります。

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