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塗装できない屋根材パミールに要注意!

更新日:2023/03/21

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

【この記事の要約】

1996年から2008年にニチハ(株)から発売された屋根材のパミール。これは塗装ではなく、カバー工法や葺き替えが推奨されている屋根材のため、注意が必要です。

パミールの写真

パミールとは、名古屋市中区錦に本社があるニチハ株式会社が1996年から2008年までに製造販売した無石綿スレート屋根材です。現在では販売終了となっています。

1996年と言えば、各社アスベストを使わない屋根材の販売がスタートした年です。これが、問題を引き起こすきっかけとなりました。

アスベストの代わりに使われた新素材が、想定よりも粘着性能が発揮されず、早期の剥がれに繋がったのではないかと言われています。

断定的な書き方をできないのは、ニチハ側がこのことに関して否定しているためです。

当サイトの参加業者に聞いたところ、パミールは塗装できないと言いますので、このページではその点について説明します。

パミールでよく報告のある不具合例

パミールでよく見られる不具合は、主に以下の症状が挙げられます。

剥離・めくれ・浮き

パミールの不具合として、屋根材の端部が剥がれたり、浮き上がってくることがあります。さらに、ケーキのミルフィーユのように各層が剥がれる層間剥離も出てきます。

これらに関してニチハ(株)側は、素材の責任ではなく経年劣化と主張しています。

釘の腐食によるズレ・落下

パミールに使用されている釘の腐食によるズレ・落下も不具合のひとつです。

この釘に関しては、ニチハ(株)も2010年11月に認めていて、新聞などでリコールの広告を出していました。そのときの全文が、ニチハ(株)の公式サイトに掲載されています。
https://www.nichiha.co.jp/news/20101105_01.pdf(PDFが開きます)

リフォーム方法は、カバー工法か葺き替え

パミールに塗装ができないわけではありませんが、塗装しても直ぐに劣化してくるので無意味です。

また、すでに劣化している屋根材に高圧洗浄すると、さらに劣化が進行したり、屋根材自体がボロボロに剥がれてしまう恐れがあります。そのため、残念ながら塗装は推奨しません。

ニチハ(株)でも、パミールで不具合があった場合の提案として、別の屋根材を上から被せるカバー工法を推奨しています。

塗装に比べると料金が高くなりますが、リフォームの際はニチハ(株)が推奨しているカバー工法か、もしくは新しい屋根材に取り換える葺き替えをオススメします。

自分の屋根材がパミールか確認する方法

自分の家の屋根材がパミールなのか調べたい時は、次の3点をチェックしてみましょう。

・建築時の設計図を見る
・建築会社に問い合わせる
・塗装業者など屋根に詳しい業者に実際に見てもらう

実際には、屋根材がどのような状態かを確認する必要があるため、塗装業者などの屋根に詳しい業者に見てもらう方法をオススメします。

まとめ

パミールとは、アスベストを含まない屋根材としてニチハ(株)から発売された商品で、後に層間剥離や釘のズレなどの不具合が報告されたため、現在は販売停止している屋根材になります。

パミールは塗装が出来ないので、メンテナンスの際はカバー工法もしくは葺き替えによる屋根リフォームを行います。

自分の家でパミールが使用されているか確認したい時や劣化が目立つ場合は、早めに専門業者に調査を依頼するようにしましょう。

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