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外壁塗装の原価から見る値引き可能な金額とは?

更新日:2023/07/17

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

【この記事の要約】

外壁塗装の料金は、原価と人件費の割合が多いので、安ければ良いと言うものではありません。どんなに割引できたとしても総額の10%程度です。値下げ交渉をしすぎて手を抜かれないように気をつけましょう。

外壁塗装の原価を知れば、なぜ割引できたとして総額の10%程度が限界かがわかります。

これが外壁塗装の料金の内訳です。材料費と人件費で約55%かかります。

会社の規模やお客さんの住宅構造によって異なるので一概に言えませんが、平均すると外壁塗装の料金の内訳は、以下のようになります。

※自社職人がいないリフォーム総合店やハウスメーカー、工務店、訪問販売店などは、仲介マージンが入るので、この例は当てはまりません。

仮に塗装店が100万円の工事を1件受注した場合、会社の利益は約20%の20万円前後になります。この利益から社長の給料や事務員さんの給料、事務所のローンや家賃、車のローンなどが引かれるので、20%あったとしてもあまり残りません。

基本的に、塗料などの条件を変えずに割引すると、会社の利益を削ることになります。100万円のうちの10万円割引と聞くと、割合的にはそこまで大きくは感じませんが、実際には会社の利益の半分を割引に当てています。

そのため、これ以上の割引を希望するお客さんがいたとしても、業者側も利益から経費を差し引くと何も残らなくなるので、断ることが多いです。もちろん、塗料のグレードを落としたり工夫をして、お客さんの要望に合わせる値引きをすることはあります。

そのような工夫をしないで、この割引が限界を超えた場合でも仕事を引き受けてしまう業者は、どのようなことをするのでしょうか?

限界を超えた割引や元々安過ぎる業者のカラクリとは?

上記の円グラフを見て、一番注目するべきは、お客さんが支払う外壁塗装の料金は、塗料などの材料費と職人の人件費だけで約55%を占めている点です。この点が、外壁塗装は手抜きが多いと言われるポイントでもあります。

例えば、新車や家電などは、中古ではない限りどこで買っても商品が同じです。そのため、仮に無理やり値引きして販売店が赤字になったとしても、商品が同じなので質にも問題ありません。

それに比べ塗装は、塗料が同じものでも塗装する職人次第で完成が良くも悪くもなります。つまり、無理な値引きを要求してしまうと、手を抜かれる可能性が少なからずあります

手抜きをすると業者の利益はこのように増えます

「外壁塗装の業者は、材料費を安くするために水で薄めて使ったりすることがあるらしい。」

このようなことを聞いたことがあるかもしれません。これは半分正解ですが、それだけでは説明が足りない点があります。それは人件費の節約です。

塗料は、規定通りに使うと粘着性があるため、ローラーで塗るときに重みが生じ、重労働になり塗るのに時間がかかってしまいます。

これを規定以上に薄めると粘着性が弱くなり、水のようになり塗りやすくなります。塗りやすくなると、1日に塗れる範囲も多くなるので、結果として職人の作業スピードが速くなり、施工日数が短縮できます。他にも、3回塗りを2回塗りにするというのも同じ理由からです。

このように材料費と人件費を安くすることで、真っ当な仕事をしている会社にはできない割引ができるようになります。

訪問販売などの割引のカラクリとは?

以上の理由から10%以上の割引は難しいということと、無理な割引を引き受ける業者や安過ぎる業者がやる可能性のある手口は理解できたと思います。

こういう業者とは別に、訪問販売をしているような会社の割引にもカラクリがあります。よく「飛び込みで来た業者が今契約をすれば200万円を120万円にします!」というような40%もの割引を受けた。という相談を受けます。

これらの業者の見積書を見ると、外壁の塗る面積が大きく出ていたり、塗料の単価を高めに設定していたりします。つまり、元々高い提示をして見せかけの割引でお得感を演出していますこのような業者の見積り例はこちらです。

値引き交渉のポイント

工事の日程を指定しない

工事の日程を指定せずに、業者の都合に合わせることで、値引きしてもらいやすくなります。

外壁塗装工事は夏・冬が閑散期にあたり、業者側もこの時期に工事を入れたいと考えています。そのため、閑散期にあわせてスケジュールを調整するのが効果的です。

このように、一方的に値引きを要求するのではなく、業者にとってもメリットになるような交渉をするのがポイントとなります。

端数を値引きしてもらう

大幅な値引きは望めませんが、端数を値引きしてもらうのも有効的な手段です。

例えば、見積金額が987,500円の場合は、7,500円の値引きをお願いしてみるといいでしょう。1万円以下の値引きであれば、成功する確率も高いです。

相見積もりをする

外壁塗装は定価が決まっているわけではないので、提示された金額が適正価格なのかを判断するのが難しいです。そのため、まずは複数社から見積もりを取って相場を把握しておくことが重要です。

そして見積金額が高いのか、安いのかを見極めることができれば、どの程度値引きしてくれそうか?という点も判断しやすくなるでしょう。

また、業者に相見積もりしているとを伝えることで、競合他社に勝つために値引きをしてくれる可能性もあります。

値引き交渉する際の注意点

値引き交渉をする際に、高額な値引きを要求したり、しつこく言い寄るのはNGです。

必要以上に値引きを要求すると、見積金額を安くするために材料費や人件費を削ることになり、結果的に手抜き工事される恐れがあります。

また、しつこく交渉を続けるとお客様自身のイメージが悪くなり、業者との関係性に影響してしまう可能性があるので、値引きが難しそうな場合は諦めることも肝心です。

そもそも優良な業者であれば、最初から適正価格で見積もりを提示しているため、工事内容や使用する塗料を変えずに大幅な値引きをすることはできません。反対に、見積内容をそのままに何十万円もの値引きをするような業者は、信頼性に欠けます。

できるだけ費用を抑えたいとは思いますが、業者とは工事期間だけではなく、塗装後のアフターフォローや不具合が生じた際の対応などでも顔を合わせることになるため、今後のことも考えて良好な関係性を保つように心がけましょう。

まとめ

外壁塗装で値引き可能な金額は、全体の10%程度が限度となります。

見積内容を変えずに大幅な値引きがあった場合は、質の悪い塗料を使用されたり、必要以上に塗料を薄める等の手抜き工事をされる可能性があるので注意が必要です。

また、お客様自身で値引き交渉をする場合は、工事日程を指定せずに、端数だけ値引きしてもらうといった方法が有効的です。

しつこく値引きを要求すると業者に与えるイメージも悪くなってしまうので、良い関係を築けるようにするためにも、無理に値引きをさせようとするのはやめましょう。

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