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更新日:2019/05/14

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

外壁塗装の見積りチェックポイント ~外壁面積と塗料単価、総額で分析~

お客様から『外壁塗装110番』に相談があった1,000件以上の見積書を分析した結果、危ない見積書には特徴があるとわかりました。

外壁塗装の見積もりチェックポイントはたった3つで、この点に注意すれば騙される確率はかなり下がります。

しかしチェックポイントをきちんと理解するためには、見積書の内容を正しく読み取ことが出来なければなりません。

そのため、まずは施工金額がどのように算出されているかを知っておくことが大切です。

外壁塗装の見積書の各項目は、以下のような公式で計算されます。

「1.塗装する面積」「2.塗料の単価」の数字が適正か?をチェックすることが重要です。

この記事では、外壁塗装業者の見積もりチェックポイントと、複数社への相見積もりするうえでの注意点についても解説しています。

記事を読み終わる頃には、外壁塗装の見積書の見方で悩むことはなくなっているでしょう。

チェックポイント1. 外壁や屋根の塗る部分の面積が大きすぎないか?

「外壁や屋根の塗る部分の面積が大きすぎないか?」は、一番重要なチェックポイントです。

壁や屋根の塗る面積を大きく出して、合計金額を高くするのが、悪徳業者で良くある見積書なためです。

家の延べ床面積を知っていても「塗装する部分の面積」を知らない人が大半で、ごまかされていても気づけません。

以下の表は、延べ床面積に対する外壁・屋根の開口部を抜いた塗る部分の面積です。

正確な数字ではありませんが、この面積よりも40m2前後大きい場合は注意が必要です。

坪数(平米数) 外壁面積(m2) 屋根面積(m2) 足場面積(m2)
20坪(66.2m2) 100~109 40~44 145~159
25坪(82.8m2) 110~119 45~54 160~174
30坪(99.3m2) 120~129 55~64 175~189
35坪(115.9m2) 130~139 65~74 190~204
40坪(132.4m2) 140~149 75~84 205~219
45坪(149.0m2) 150~164 85~94 220~234
50坪(165.5m2) 165~180 95~105 235~249

チェックポイント2.塗料の単価が高すぎないか?

塗料の単価を高くして合計金額を高くする業者も多いです。

チェックポイント.1と同じく、塗料の単価を知っている人がほとんどいないため、価格を上乗せしてもバレにくいためです。

塗料の単価は、どんなに高いものでも3回塗りの合計単価で5,500円/m2前後の中、酷い業者は合計単価が10,000円/m2を越える事例もありました。

以下は、グレード別に3~5回塗りの合計単価一覧表となります。

表内にある合計単価から2,000円以上高い場合は注意が必要です。

グレード 合計単価 参考塗料名
シリコン 2,300~3,000円 ファインシリコンフレッシュ、クリーンマイルドシリコン、セラMシリコン2
ラジカル制御 2,500~3,000円 パーフェクトトップ、プレミアムシリコン、アレスダイナミックTOP
フッ素 3,800~4,800円 ファイン4Fセラミック、クリーンマイルドフッソ
遮熱・断熱 3,000~4,000円 アステック、ガイナ、アドグリーンコート ※一般的なシリコン、フッ素は除く
光触媒 4,200~5,000円 ハイドロテクトカラーコートECO-SP、EX ※販売停止
無機 4,500~5,500円 無機ハイブリッドコートJY、クリスタコート、KFスーパーセラ

チェックポイント3.最終的な施工金額が200万円を越えていないか?

見積書で提示されている最終的な施工金額が200万を超えている場合は注意しましょう。

30~50坪の戸建ての場合、外壁と屋根、付帯部分を塗装して、足場や高圧洗浄など全て入れても200万円を越えることは稀だからです。

参考までに当サイトデータを見ると、延べ床面積30坪の一般的な住宅をシリコン系で、外壁・屋根を塗装した場合の平均価格は997,804円でした。

チェックポイント1.2に該当すると、まず200万円を越えるので悪徳業者の見積書と判断できますが、それ以外でも200万円を越えると注意が必要です。

以上が、見積書で気をつける3つのチェックポイントです。

では、実際に弊社に相談があった見積書の事例を解説していきます。

35坪の戸建て2階建ての適正な見積り例

以下が35坪の戸建て2階建ての適正な見積り例になります。

数量・単価ともに平均的な数字で、合計の施工金額も約120万円と相場の範囲内です。

ただし、同じ35坪の建物でも使用する塗料や建物の形状、窓の多さなどによって金額は前後します。

項目 仕様 数量 単価(円) 金額(円)
仮設工事
足場   200m2 600 120,000
シート   200m2 150 30,000
外壁
高圧洗浄   135m2 150 20,250
外壁塗装3回塗り シリコン塗料 135m2 2,300 310,500
軒天井   25m2 1,200 30,000
破風板   30m 1,000 30,000
雨樋   50m 800 40,000
その他   一式   200,000
クラック処理   一式   30,000
屋根
高圧洗浄   70m2 150 10,500
屋根塗装3回塗り シリコン塗料 70m2 2,500 175,000
縁切り   一式   30,000
 
小計     1,026,250
諸経費 5%   51,312
小計     1,077,562
消費税 10%   107,756
合計 1,185,318

業種別、危険な見積書の例

業種別で危険な見積書の例をご紹介します。

訪問販売の見積書の例

トラブルが一番多い訪問販売の見積書の例です。オリジナルの塗料や大幅な値引きなど、注意点を解説。

リフォーム店、工務店の見積書の例

よくチラシを見るリフォーム総合店や工務店の注意点を解説。

ハウスメーカーの見積書の例

家を建てたハウスメーカーだから安心ではありません。大手でもボッタクリのような見積書を提示することはあります。

塗装専門店の見積書の例

トラブル自体は少ないですが、業者の中には雑な見積書を提示することがあります。

複数社を相見積もりすれば業者選びで失敗する確率が減ります

塗装業界は、車や家電のように完成して売られている商品ではないので、価格がわかりにくい業界です。

複数社を相見積もりすると、外壁塗装業者選びで失敗する確率を減らせます。

なぜなら、複数社の見積書の面積や総額を比較することで相場がわかるからですね。

また、複数社に見積もり依頼すると相場がわかるだけではなく、値引きの可能性もあります。

この章では、外壁塗装の複数社へ比較時のポイントについて解説していきます。

業者によって見積り内容や金額が違うことも多い

複数の業者に見積りを取ると、同じ建物でも見積書の内容があまりにも異なり、驚かれる方も多いです。

よく違いが出る点は以下の通りです。

・塗料の種類
・塗料の単価
・塗る部分の面積
・保証年数
・サイディングの目地部分の補修方法(打ち替えなのか?打ち増しなのか?)
・支払い方法(現金払い、クレジットカード利用可、ローン可など)

上記の中でも重要なのは、塗料の単価と塗る部分の面積です。

塗装の費用の大部分は「塗る部分の面積×塗料の単価」なので、塗る部分の面積や塗料の単価が違えば、総額が大きく変わってくるからですね。

よくいる悪徳業者は、塗る部分の面積を大きく出して総額を高額にします。

以下は実際にあった3社に見積りをした例です。

建物情報

種類 一戸建て2階建て
規模 述べ床面積30坪
築年数 10年
塗替え間隔 10年(初めての塗装)
塗替え部分 外壁、屋根、付帯部分

面積と単価面で各社の見積書を比較

会社名 A社:オリジナル塗料 B社:シリコン塗料 C社:シリコン塗料
施工項目、仕様 面積(m2) 単価(円) 面積(m2) 単価(円) 面積(m2) 単価(円)
外壁-下塗り 256 800 143 700 139 650
外壁-中塗り 256 2,400 143 850 139 800
外壁-上塗り 256 2,400 143 850 139 800
合計 1,433,600 343,200 312,750

実際には、屋根や付帯部分の塗装、足場などの費用もかかりますが、あえて今回は面積と単価面のみで比較してみました。

「面積や単価が違うだけで、ここまで金額が異なる」のをわかりやすく説明するためですね。

まず、「塗装する面積の違い」に注目してください。

A社の見積書は総額を高くするため、大きめの面積に改変している可能性が高いとわかります。

なぜなら、A社だけ256m2となっていて面積がかなり大きいからですね。

さらにA社は、塗料の単価も3回塗りの合計で5,600円になっているので高すぎます。

どんなに高級塗料でも5,000円を越えることはほとんどなく、A社だけB・C社と比べて100万円以上高くなっています。

A社に比べて、B社とC社は良い業者の可能性が高いです。

述べ床面積30坪の塗装する面積、使用するシリコン塗料の価格も、すべて相場の範囲内なためですね。

このように、仮に塗装する自宅の面積や塗料の単価がわからない場合でも、複数社に見積りを取ることで明らかにおかしい業者を見抜くことが可能です。

相見積もりで業者を絞ったら、あとは業者とお客さんの相性もあるので、実際に見積りに来た業者の印象や対応なども考えて最終的に業者を決定すれば、失敗する確率が低くなります。

業者同士が価格競争することで割引の可能性もアリ

相見積りを取ると、業者同士が価格競争することで思わぬ割引の可能性も出てきます。

「数万円の値引きで契約できるなら…」と、普段しないような値引きやサービスをしてくれることもあるからですね。

特に閑散期は、相見積もりをすることで、より値引きをしてもらえることもあります。
(※塗装業界は、繁忙期が9~12月、閑散期が1~3月、6~7月です。)

会社の雇用形態にもよりますが、閑散期で仕事がないと、職人がやることなくなって困るからですね。

強引な値引きはリスク高い

「相見積もりさせることでギリギリの限界まで価格を落としてやろう」と考える方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、強引に値引きをするのはリスクが高いので注意しましょう。

外壁塗装で一番重要なのは塗料ではなく「塗る職人」で、無理やりな値引きをすると職人も良い気持ちはしません。

どんなに良い塗料を使っても、塗る職人が丁寧に施工してくれないと、塗料の持つ性能を発揮できません。

そのため、無理な値引きなどで職人がイヤイヤ塗装をするような状況になると、施工の品質に影響することもあります。

この点は「外壁塗装の原価から見る値引き可能な金額とは?」に書いたので参考にしてみてくださいね。

見積書に関するお役立ちコンテンツ

見積書に出てくる内訳の説明や複数社に見積りを取るメリットなどを解説。

外壁塗装の見積書が適正か判断するには各面積を計算できた方がいいです。

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