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更新日:2023/05/02

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【行政書士監修】自分でできるクーリングオフの手続き

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解説者鈴木良太【編集者・サイト管理人】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

クーリングオフとは?

クーリングオフとは、消費者がリフォーム工事などを契約した後に8日間であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度です。塗装工事とは関係ありませんが、連鎖販売取引などのマルチ商法は20日間です。

この期間内に解約した場合は、業者が建物を契約前の状態に戻すことが義務付けられています。契約前の状態に戻すための費用は、すべて業者負担と定められており、何か取り付けたもの、設置された物品も業者の負担で元通りにすることができます。

クーリングオフをする場合は、電話ではなく必ず書面による手続きが必要です。

(特定商取引法第9条)契約書を受け取った日を1日目とし、契約書を受け取ってから8日以内に書面で通知をします。クーリングオフで重要なことは期間内の発信発信した日付の証明です。

法定期間を過ぎてもクーリングオフができる場合

1.事実と違うことを告げられた
事業者が、事実を違うことを告げたり威迫したりすることによって、消費者が間違った誤認や困惑をしてしまいクーリングオフをしなかった場合には、クーリングオフ期間に関係なくクーリングオフできます。

2.契約書などの不備や書面が交付されていない
事業者は、必ず契約書面を交付しないとなりません。以下のような必要な事項が記載されていなかったり、書面が交付されていない場合は、クーリングオフ期間が始まっていないということになり、いつでもクーリングオフができます。

・事業者などに関する事項(事業者の氏名や所在地など)
・契約の日付に関する事項
・契約商品に関する事項
・代金に関する事項
・契約の履行に関する事項(商品の引渡時期や、権利移転の時期、役務の提供時期など)
・クーリングオフの要件および効果に関すること
 赤枠、赤字、8ポイント以上の活字で記載されている必要があります

3.消費者契約法や民法による救済
クーリングオフが適用されない商品についても、不適切な方法によって結ばれた契約は取り消すことができます。

クーリングオフが使えない場合

1.お客さん自ら業者を呼んだ場合
2.お客さん自ら業者の店舗に行って契約した場合
3.3,000円未満の現金取引の場合
4.過去1年間に取引のあった業者との間で締結した契約
5.正しい契約書で契約をしてクーリングオフ期間(8日間)を過ぎてしまった場合
6.日本以外の場所で契約をした場合

クーリングオフの通知方法

通知の形式は特に決まりがなく、ハガキや封筒、FAXで出すことができます。ハガキや封書で発送する場合は、証拠として必ず中身をコピーして保管しておきましょう。郵送した記録を残すために、特定記録、簡易書留、書留で郵送することをオススメします。

この通知方法は、外壁塗装だけではなく他のリフォームでも同じ書き方です。

ハガキに書く内容

クーリングオフのハガキ
1.タイトル「通知書」
2.契約書を受け取った日
3.契約会社
4.契約担当者
(割賦払いの場合は、クレジット会社名)
5.商品の名前
6.金額
7.契約を解除したい旨の意思表示
8.申出日
9.自分の住所
10.自分の名前

ただ、この方法の場合、業者が受け取ったハガキを捨ててしまうと、どのような内容の通知を送ったのか証拠がなくなってしまいます。

通常ここまでやる業者は稀ですが、確実にクーリングオフしたい場合は、内容証明郵便を利用するようにしましょう。

内容証明郵便は、郵便局で送ることができ、業者(送付先)、自分(送付元)、郵便局で同じ書類をそれぞれ保有することになります。また、発信日だけでなく書面の記載内容も証明されます。(文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません)

内容証明郵便の書き方

内容証明を書く場合には、いくつかの決まりごとがあります。

1.同じものを3通作る
内容証明は「相手に送る分」「郵便局の保管分」「自分の控え分」の3通同じ書類を作ります。

2.文字数や行数に決まりがある
縦書きと横書きはどちらでお問題ありませんが、1枚に書ける文字数が決まっています。句 読点やカッコなども1文字として数えます。カッコは2つで1文字扱いになります。

基本的に縦書きは「1行20文字以内×1枚26行以内」 横書きは「26字以内×20行以内」「20字以内×26行以内」「13字以内×40行以内」のいずれかになります。枚数が2枚以上になる場合には、契印(ページ間の割印)が必要になります。

3.使用できる文字
漢字、かな、カナ、数字が使用できます。英字は相手の社名や商品名に限り使用可能です。

4.訂正方法
書き間違った場合は、書き間違った文字の上に二重線を引き、差出人の印鑑を捺します。さらに、その近くに正しい文字を書き、○字削除・○字加入と書きます。

5.郵送の年月日・差出人・受取人の名前と住所
必ず郵送する日の年月日と差出人、受取人の名前、住所を書きます。差出人のところの捺印は必要ではありません。(差出人の任意なので、捺印してもしなくても可)

6.用紙・筆記用具に制限はない
どんな用紙でも筆記用具でも問題はありません。ただし、手書きの場合は、鉛筆ではなく消せないペンで書いた方が無難です。パソコンでも大丈夫です。

7.封筒の書き方
封筒もどんなものでも問題ありません。書き方は通常の郵便と同じです。表に受取人の住所と氏名、裏に差出人の住所と氏名を書きます。この住所は、中に入れる書類に書いてある名前、住所と同じでなければなりません。

内容証明郵便のサンプル

内容証明は以下のようまとめます。

事例)訪問販売によるリフォーム工事の契約をクーリングオフできた例

相談内容

相談者は、一人暮らしの高齢の母親を持つ娘さんです。

母の自宅に、突然リフォーム業者Xが訪問し「浴室など水廻りの点検を無料で行っております。」と言われたそうです。「無料なら」と思い業者を家の中に通したところ「湿気で腐っている部分があり、今すぐに工事をして直さないと大変なことになります。」とのこと。

驚き焦ってしまった母は、浴室の改装のほかにも、事業者Xに勧められるがまま屋根の塗装も契約してしまい、銀行で工事代金も支払ってしまいました。

私は、たまたま実家に帰る予定があり、このことに気付きました。契約書面を受け取った日から8日以内だったので、業者Xにクーリングオフをしたいと電話したところ「もう工事が始まっているので今更契約の解除はできない。」と言われました。

このまま、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

結果

このような相談で私のところに連絡がありました。結論から申し上げるとクーリングオフができました。今回の件のポイントは以下の2点です。

・突然リフォーム業者Xが訪問してきた。
・契約締結(書面を受け取ってから)8日以内だった。

リフォーム業者Xが言った「もう工事が始まっているので今更契約の解除はできない。」というのは誤りです。クーリングオフ期間内に工事をした場合、クーリングオフが適用になれば、リフォーム業者の負担で元に戻す義務があります。

クーリングオフに関する相談先

実際にクーリングオフが適用されるのかわからない、手続きできるか不安という方は、下記の機関で相談ができます。

消費者ホットライン
電話番号:188

国民生活センター
電話番号:03-3446-1623

消費者ホットラインでは、地方公共団体が運営している近くの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。

そして、消費生活センターでは、リフォームによるトラブルやクーリングオフに関することが相談が可能です。インターネットで「消費生活センター 世田谷区」などと検索して、お住いの地域を管轄する消費生活センターの電話番号を調べることもできます。

国民生活センターは、消費者ホットラインの平日バックアップ相談として、近くの消費生活センターに繋がらない際に、平日の10時~12時と13時~16時まで相談を受付ている機関です。

まとめ

クーリングオフ制度とは、契約から8日以内であれば契約解除できる制度で、消費者を守るために法律で定められています。

外壁塗装では悪徳業者によるトラブルが多発しているため、万が一のときに備えて、適用条件や手続き方法を確認しておくことが大切です。

また、「クーリングオフできるのかわからない」「手続きが進められるか不安」という方は、消費生活センターや国民生活センターで話を聞くことができますので、一人で抱え込まずにまずは第三者機関に相談してみるといいでしょう。

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