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更新日:2023/05/02

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解説者鈴木良太【編集者・サイト管理人】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

外壁塗装業者の選び方 – 訪問販売の危険性や事前に把握しておきたいこと

家の外壁塗装は、自動車などの完成品で売られているものとは違い、塗料をお家に塗って完成品になります。

しかし、「外壁塗装をお願いしたいけれど、どこの業者に依頼して良いかわからない」とお悩みの人も多いと思います。

塗装業者を選ぶ際には、資格や許可書を確認したり、実際に見積りを依頼して業者の対応をチェックしましょう。

どんなに良い塗料を使用していても、しっかりと塗装できていないと、メーカー発表の耐久年数より極端に短くなることもあるからです。

また、外壁塗装業者を選ぶうえで、訪問販売に来た業者を選ぶのは危険です。

なぜなら、外壁塗装で最もトラブルが多いと言われているからです。

この記事では、外壁塗装業者を選び方や訪問販売する業者の危険性について解説しています。

記事を読み終わる頃には、悪徳な外壁塗装業者に依頼するリスクも減っていることでしょう。

訪問販売に来た外壁塗装業者には要注意

訪問販売に来た外壁塗装業者と即契約は危険なので辞めてください。

全ての訪問販売というわけではありませんが、一番トラブルが多く、料金が高く施工の品質も悪いと言われています。

下の表は「独立行政法人 国民生活センター」が発表している訪問販売によるリフォーム工事の被害相談件数です。

グラフ内の数字は塗装だけではなく、全てのリフォームが対象ですが、塗装に関する被害が一番多いと言われています。

上記の表から1日15~20件もの被害が報告されていることがわかりますね。

この章では訪問販売業者が来て、

・見積書を提示された
・早急に外壁塗装工事が必要と迫られた
・すでに契約してしまった

などのトラブルを抱えている方に、対処法と解決策を紹介しています。

本当にあった事例なども交えつつ、説明していますので、ぜひご一読ください。

1日15~20件もの被害報告があるほどトラブルが多い3つの理由

1日15~20件もの被害報告があるほどトラブルが多い理由は主に3つです。

1.外壁塗装は手抜き工事をしてもお客さんにはバレにくい
2.塗装の仕上がりを塗装業者自体が確認するので不正しやすい
3.下請け業者や孫請け業者のマナーや技術が悪い

それぞれの具体的な理由について解説していきます。

1.外壁塗装は手抜き工事をしてもお客さんにはバレにくい

外壁塗装は、手抜き工事をしてもお客さんにはバレにくいです。

完成後、表面上は綺麗に見えるので素人には気付けません。

しかし、手抜き工事をした結果、塗装後すぐに塗料の剥がれや浮きが出てきます。

最初の契約では「シリコンだから10年持つ」と言われていたにも関わらず、数年持たずに剥がれ落ちてきて持たずにトラブルになるケースも少なくありません。

手抜き工事の具体例
  • 通常3回塗りを1~2回しか塗らない(人件費や材料費が浮く)
  • 下地の処理をしっかりしないで塗装する(人件費が浮く)
  • しっかり乾燥させないで塗り重ねる(人件費が浮く)
  • 最初に約束した塗料ではなく低グレードの塗料を使う(材料費が浮く)

2.塗装の仕上がりを塗装業者自体が確認するので不正しやすい

自動車などの完成品は、メーカー側で塗装を含めた仕上がりの品質を確認してから販売します。

外壁塗装の場合、塗った後の仕上がりまでメーカーがチェックすることはなく、塗装した業者のみが確認するので不正しやすいです。

外壁塗装へ使用する塗料自体はメーカーが作りますが、本当に完成するのは建物に塗って乾燥してからです。

いくら塗料が良いモノであっても、塗装をする職人さんの技術が劣っていたり、手抜きをしては意味がありません。

3.下請け業者や孫請け業者のマナーや技術が悪い

下請け業者とは、契約した業者の下で別の会社や職人個人が仕事を引き受けて塗装することを言います。

訪問販売に来た業者の下請け業者や孫請業者の施工中マナーや技術が悪く、トラブルとなる場合があります。

なぜなら、訪問契約で金銭を受け取って、下請け業者に丸投げするだけでなにもフォローしてくれない訪問販売業者もあるかです。

下請け業者がいるのが悪いわけではなく、親会社がしっかりと管理していれば問題になることはありません。

当サイトへ相談のあった訪問販売によるトラブル例

訪問販売で来た外壁塗装業者とトラブルになった実例として、当サイトに相談があった本当のお話し(仙台市のAさん)をご紹介します。

日曜の昼前に突然「ピンポーン♪」と黒いスーツを来た営業の人がやってきました。

業者:「(株)●●の▲▲と申します。こちらのエリアで新たに支店を出すことになり挨拶周りに伺いました。」「外壁が傷んでいるようですが、もしよろしければ無料で建物の診断と見積書を出しましょうか?」

Aさんは、断ろうと思いましたが、築12年が経っていて、そろそろ塗装を検討していたこともあり、感じの良い営業マンだったので、いくらくらいかかるものなのか依頼することにしたそうです。

10分くらい建物ざっと見て言われたことをまとめると
・ヒビ割れが出ている箇所があるので、直ぐに塗装した方がいい
・弊社で開発したセラミック塗料を使うと25~30年はもつ
・通常は、この大きさのお家を塗装すると外壁塗装で250万円くらい
・今はこの地域のエリア開拓のためモニター価格で出来る

このようなことを言われました。

さらに帰り際には
業者:「本日はこれで会社に帰るので、明日また正式な見積書を持って伺いますね!」「上司に言って、驚くような値引きをしてくるので期待していてください!」
このようなことを言われたそうです。

≪翌日≫

業者:「上司を説得できました!昨日お伝えした250万円を今なら160万円にできます!」「ただし、今日仮契約で印鑑を捺していただいて、正式な返事は3日以内にください。」「この価格は絶対に周りの住人には言わないでくださいね。Aさんは特別なので!」

Aさんは契約を迷いましたが、どうせ塗装しようと思っていたことや、90万円もの割引に惹かれ、仮契約後に正式申込みをしてしまいました。

後日、不安になったAさんから当サイトに電話がありました。

■お話を聞き、この業者の怪しいと感じた点
・お家の規模からいうと、屋根を含む全て塗装してもシリコン系の塗料で120万円(この業者は屋根は塗装しないで160万円)
・外壁に比べ屋根の方が劣化するのに、何故か屋根塗装は見積もりに入っていない
・25~30年持つ塗料は考えにくい。仮に持ったとしてもサイディングの目地に使われるシーリング部分が先にダメになる

このことを伝え、当サイトの参加業者を2社紹介させていただき、実際に建物を見てもらうことになりました。

その結果、施工金額は

・1社目:日本ペイントのシリコン系塗料を使い、外壁や屋根、軒天を塗装して128万円。劣化はしているが、今すぐ塗装しないとダメになることはないとのこと。但し、そろそろ塗装した方がいいのは間違いない。

・2社目:エスケー化研のシリコン系塗料を使い、外壁や屋根、軒天を塗装して123万円。劣化はしているが、今すぐ塗装しないとダメになることはないとのこと

その後、半年が経ち当サイトの参加業者で施工していただき、大満足とのご連絡がありました。

合計3社(訪問販売1社と当サイト2社)からの複数見積りを取ることで、相場が分かって良かったと言っています。3年が過ぎた今もヒビ割れなどなく綺麗だとの連絡もいただきました。

いかがでしょうか。

上記例のように、訪問販売が来たとしても即決しないことが重要です。

大幅な値引きでお得に感じても、よくよく調べると元々の提案金額が高く、割引後の金額が一般的な価格なケースも多々あります。

また、1社だけの見積りだとその金額が適正なのかの判断が難しいです。

安過ぎず高過ぎず適切な価格があるので、必ず複数社に見積りを取り比較することをオススメします。

外壁塗装は、成功も失敗も業者選びにかかっています。

どんなに良い塗料を使っても手抜き業者が塗装すると、塗料が持つ耐久年数を発揮できません。

複数の優良塗装業者から見積もりを取りたい場合はコチラへ。

トラブルが一番少ない元請け(自社施工)の業者を選ぶ

お客様が契約した会社と、実際に工事する業者の関係により、元請け、下請け、孫請けなど様々な呼び名があります。

トラブルが一番少なく、しっかりとした施工をするのは元請け(自社施工)の業者です。

そのため、自社施工の業者を選ぶことをオススメします。

「元請け」「下請け」「孫請け」それぞれの意味や特徴について解説します。

元請け

「元請け」とは、お客さんが契約してお金を払う会社のことを指します。元請けがそのまま塗装する場合は、自社施工と言います。

下請け

「下請け」とは、元請けが自社で施工するのではなく、他の業者に仕事を依頼するときに引き受ける業者を指します。下請け業者に丸投げするような会社は危険です。

孫請け

「孫請け」とは、元請けが下請けに依頼した仕事をさらに他の業者に依頼するときに、引き受ける業者を指します。戸建てではあまり多くはありません。

外壁塗装業者の探し方

外壁塗装業者の探し方には、次のような方法があります。

インターネットで調べる

まず1つ目は、インターネットで検索する方法です。例えば「世田谷区 外壁塗装 業者」等と調べることで、業者のホームページや口コミサイトが出てきます。

また、塗装業者を紹介してくれる見積もり比較サイトを活用すれば、ご自身で業者を探す手間をかけずに、複数の優良業者から見積もりを取ることが可能です。

チラシ・広告を見る

外壁塗装業者によっては、インターネットからの集客だけでなく、チラシや看板などの広告に力を入れているケースも多くあります。

気になる業者を見つけたときは、直接連絡を取るのも良いですが、まずは業者の情報を知るためにも、口コミや業者のホームページも併せてチェックしておくといいでしょう。

紹介してもらう

友人やご家族で外壁塗装をしたことがある場合は、その業者を紹介してもらう方法もあります。信頼のおける人からの紹介であれば、安心して工事を任せることができるでしょう。

ただ、紹介してもらった立場上、要望を言いにくかったり、施工のお断りがしにくくなる可能性も考えられます。

外壁塗装業者を選ぶときのポイント

外壁塗装業者を選ぶときは、次のような点をチェックするようにしましょう。

ホームページを確認する

気になる業者がいる場合は、まず業者のホームページを確認してみましょう。特に注目すべきなのは、施工事例や会社概要、資格の有無といった点です。

外壁塗装は技術力や知識、経験の豊富さで仕上がりが大きく左右されるため、今までどのような工事を行ってきたのか実績を確認しておくこと必要があります。

また、会社概要では創業年数や所在地、加盟団体、保有している資格などをチェックし、信頼できる会社なのかを見極めることが大切です。もし代表の挨拶やスタッフ紹介のページがある場合は、開業までの流れや職人の雰囲気も見ておくといいでしょう。

資格の有無を確認する

塗装業は資格が無くても始められるため、その中でもしっかりと資格を持っている業者は信頼度が高いと言えます。特に、一級塗装技能士の資格を保有している職人は、塗装に関する技術や知識が豊富であるという証です。

また、会社として県知事許可書を持っているかも確認しておくといいでしょう。県知事許可書とは、各都道府県の知事が認めた者に与える許可書のことです。

こちらも必ず必要なものではありませんが、取得するには会社の経営状況や代表者の過去の経験などについて、一定の条件を満たさなければならないので、県知事許可書を持っている会社であれば安心感があります。

保証・アフターフォローを確認する

塗装工事の場合、施工後に不具合が見つかるケースも少なくないため、万が一の時に備えて、保証やアフターフォローを実施している業者を選ぶことが重要です。

保証・アフターフォローの内容は業者によって異なり、不具合が起きた際に無償で補修してもらえたり、数年おきに定期点検を行う業者もいます。

業者の対応・営業の仕方をチェックする

見積内容や保証内容もとても大切ですが、業者の対応や営業の仕方をチェックすることも重要なポイントとなります。

例えば、連絡をした時にすぐに対応してくれるか?お客様の要望をしっかりと聞いてくれるか?などといった点を意識して、業者の様子を確認してみるといいでしょう。

また、営業の際に、必要以上にお客様の不安を煽って強引に契約しようとしたり、反対に良い事しか言わずに、注意点を伝えないまま工事をしようと業者には、注意が必要です。このような業者は、お客様のことを考えないで工事を進めようとするので、トラブルに発展する可能性も高くなります。

説明や質問に対する回答が明確でわかりやすいか

見積内容や劣化状況に関する説明がわかりやすく、さらに質問にも明確に答えてくれるかという点もチェックしておくようにしましょう。

塗装工事は専門的な用語が多いため、見積書や報告書を見ても全てをきちんと理解するのは難しいかと思います。そのときに、お客様にもわかりやすい説明をしてくれるかが重要なポイントです。

また、質問をした際にその場ですぐに答えてくれるかを確認することで、業者の知識量や経験値を見極めることができます。もし質問をした時に、曖昧でハッキリしない答えが返ってきた場合は、その業者に知識や経験がない証拠と言えるでしょう。

もちろん、状況によっては優良業者でもすぐには答えが出せないケースもあると思いますが、うやむやにして話をすり替えるような業者には注意が必要です。

相見積もりをする

外壁塗装の見積内容は業者によって異なるので、相場や必要な工事を把握するためにも、少なくとも2~3社で相見積もりをして、複数の見積書を比較するようにしましょう。

例えば、各工程の数量や単価を見比べたときに、あまりにも数字がかけ離れている見積書は、相場よりも高額な費用を請求しようとしている可能性が高いので、十分に注意しなければなりません。

他にも、工程から作業内容を把握することで、ご自身の家にとってどのような工事が必要なのか?という点もわかってきます。必要な工事内容を知ることで、不要な工事を提案して工事金額を高くしようとしている業者を見つけることができるでしょう。

また、必要な工事をあえて見積もりには入れずに、後から追加工事として高額な請求をする業者もいます。そのような業者に騙されないためにも、金額だけで判断せずに、工事内容もしっかりとチェックすることが大切です。

まとめ

訪問販売の業者へ依頼するのはリスクが高いので辞めましょう。高額な費用を請求されたり、手抜き工事をされる可能性が高いです。

業者を選ぶ際は、複数社から見積もりを取って比較することが大切です。信頼できる業者を見極めるためにも、まずは業者の情報を調べて、見積内容が適切なものなのかチェックするようにしましょう。

外壁塗装で失敗しないためには、優良業者から複数の見積りを取り比べることが重要です。当サービスを利用すれば、簡単に複数業者から見積りが取れます。⇒ 優良塗装業者へ一括見積り依頼サービス

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