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更新日:2022/03/31

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解説者鈴木良太【編集者・外壁塗装110番代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

防水工事のトップコートとは

【この記事の要約】

防水工事の工程はいくつかあり、専門的で難しいイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。その中でもトップコートは防水工事の仕上げに塗装されるもので、防水層を紫外線から守る重要な役割を担っています。

このページでは、防水工事でトップコートを塗装する重要性や劣化症状、塗り替えの時期などについて説明いたします。

トップコートの役割

トップコートとは、下地の上に作り上げた防水層のさらに上に塗装されるもので、紫外線から防水層を保護する役割があります。

防水層は紫外線に弱いため、トップコートを塗装しないと防水層のひび割れや防水性能の低下を引き起こし、雨漏りの原因に繋がってしまいます。

注意点として、トップコートは防水層を保護する目的で塗装しているものであり、トップコートそのものに防水効果があるわけではありません。

トップコートの劣化症状とメンテナンスの必要性

トップコートも紫外線や雨風の影響により時間の経過とともに劣化していくため、定期的なメンテナンスが必要です。主な劣化症状は以下の通りです。

退色・色褪せ

退色・色褪せは、トップコートの塗り替えを検討し始める時期と言えます。

なぜなら、退色・色褪せは劣化の初期症状で、防水層がダメージを受けるほどの状態ではないからです。

チョーキング

チョーキングとは、床面を直接触った時に手に白い粉が付く現象のことを指します。

直ちに対処が必要という程ではありませんが、チョーキングが確認出来る場合は一度、専門の業者に見てもらうのが良いでしょう。

理由としては、この白い粉は古くなった塗膜が粉状になったもので、チョーキングの発生はトップコートの劣化が進んでいる証拠と言えるからです。

ひび割れ・剥がれ

ひび割れ・剥がれは、経年劣化によってトップコートと防水層の接着力が低下することが原因で発生します。

トップコートのひび割れ・剥がれが見られる場合は、状況が悪化しないように早めにメンテナンスすることが大切です。

なぜなら、トップコートのひび割れや剥がれだけであれば雨漏りが起こる可能性は低いですが、亀裂部分や隙間から雨水が入り込むとトップコートの下にある防水層の劣化を早める原因になり、結果的に雨漏りに繋がる恐れがあるからです。

トップコート塗り替えの目安は5年

トップコートの塗り替えは5年ごとに行うのが理想的です。

なぜなら、定期的にトップコートを塗り替えることで防水層をより長い期間保護でき、結果的に防水層の劣化するスピードを遅らせられることにも繋がるからです。

さらに長期的に見ると、防水層を長持ちさせることで防水工事を行う回数を減らせ、工事にかかる費用も抑えられる場合があります。

トップコートの塗り替えができないケース

トップコートの劣化が激しく、さらに下にある防水層にも劣化が見られる場合は、トップコートの塗り替えはできません。

なぜなら、劣化した防水層の上にトップコートを新しく塗装しても、トップコートが防水層の影響を受けてしまい、すぐにひび割れや剥がれといった症状が起こる可能性があるからです。

またトップコートに防水性はないので、たとえトップコートを塗り替えたとしても、防水層そのものが劣化していては本来の防水効果は発揮できません。

そのため、トップコートの塗り替えのみで対応できない場合は、防水層から新しく施工する必要があります。

トップコート塗り替えの流れ

以下は、FRP防水のトップコートを塗り替える際の主な流れになります。工期は一般的なベランダで半日~1日程度です。

1.高圧洗浄

高圧洗浄機を使用して、泥やコケなどの汚れを洗い流していきます。

2.研磨・目粗し

接着力が低下し、剥がれが起きている部分のトップコートを撤去します。

その後、新たに塗装するトップコートの密着性を高めるために、表面にあえて細かな傷をつける「目粗し」という作業を行います。

3.アセトン拭き

油分が残っていると塗料がしっかりと密着しないため、アセトンと呼ばれる溶剤を使って表面の油分を除去します。

4.下塗り

下塗りでプライマーを塗布していきます。プライマーは接着剤のような役割を果たし、下地とトップコートの密着性を高めてくれます。

5.トップコート塗布

プライマーが乾燥したら、トップコートを1~2回塗布して完成です。

トップコートの単価

防水層の種類によって使用するトップコートが変わってくるため、費用も既存の防水層の種類により異なります。

防水層別のトップコートの㎡あたりの単価は以下の通りです。

防水層の種類 ㎡あたりの単価
ウレタン防水 2,000~2,500円/㎡
FRP防水 2,500~3,000円/㎡
シート防水 900~2,000円/㎡
アスファルト防水 1,000~3,000円/㎡

まとめ

防水工事のトップコートには紫外線から防水層を保護する役割があり、長期的に防水性能を維持させるためにも欠かせない工程となります。

トップコートのひび割れや剥がれなどを放置していると、防水層にダメージを及ぼして雨漏りに繋がる恐れもあるので、劣化が見られる場合は早めに塗り替えるようにしましょう。

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