幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
写真で比べる5種類の艶の違いと特徴
塗料の色を決めたら次は艶の度合いを決めます。艶の種類は5種類ありますが、約75%の方が艶ありを選んでいます。艶ありと艶なしを比べると、艶ありの方がピカピカして見た目が良いだけではなく、耐久性が1~2年だけ良いと言われています。
新築時は、ほとんどがつや消しなので、和風の建物でなければ、塗替えをきっかけに艶ありを選ぶことをオススメします。
使用する塗料が決まり色も決めたら、次は艶を選びます。艶はタイプによって、見た目が変わるだけではなく、耐久性も変わるので注意しましょう。
艶の度合は5種類に分類されます
艶の種類は、全部で5種類です。艶なし(マット)、3分艶、5分艶(半艶)、7分艶、艶ありに分かれます。艶ありとは光沢度が70以上のことをいいます。
写真で見るとわかりにくいかもしれませんが、艶消しと艶ありを並べて比べると違いがわかりやすいと思います。実際に太陽光の下で比べると、もっと違いが出ます。
実際に使用されている割合
せっかく塗装するなら、ピカピカした状態に戻したいという考えから、多くの方が艶ありを選びます。割合では、艶ありが75%、艶なし15%、残り10%です。和風の建物でなければ、艶ありがお勧めです。
ただし、全ての塗料が、5種類の艶をカバーしているわけではありません。例えば、断熱塗料で人気のガイナは艶消ししかありません。
水性と油性塗料による艶の種類の違い
商品によって艶が何種類あるかは異なりますが、水性塗料では5種類揃っていることが多いです。油性塗料の場合は、艶あり、3分艶、5分艶、7分艶の4種類が一般的です。
例外として、軒天などによく使われるケンエースGⅡは油性ですが、つや消しもあります。
艶による耐久年数の違い
艶なしは、艶ありに比べ耐久年数が1~2年短くなります。その理由は、2つあります。
理由1
ほとんどの塗料は元々は艶ありで、艶を消す為にフラットベースという艶消し剤を入れて艶を落とします。そのため、塗料の中に余計なものが入ると耐久性が落ちてしまいます。
理由2
艶なしは耐光性が悪いため、日光を反射しにくく、劣化も早くなります。また、ゴミや汚れなども付着しやすい性質があります。
公式サイトから塗料の艶の種類を調べる方法
例として、日本ペイントのファインパーフェクトトップの艶の種類を調べる方法を説明いたします。
まず、日本ペイントの公式サイトにアクセスします。その後、塗料名の一覧があるので、調べたい塗料名をクリックします。ここでは、パーフェクトトップをクリックします。
その後、下にスクロールさせ「荷姿・色相・つや」のところまで移動します。ここに、その塗料の艶の種類が書かれています。
メーカーの公式サイト一覧
大手3社の外壁・屋根塗料の一覧ページを掲載します。
日本ペイント:https://www.nipponpaint.co.jp/products/building/
関西ペイント:https://www.kansai.co.jp/products/decorative/seihinkensaku/
エスケー化研:https://www.sk-kaken.co.jp/product/
艶あり・艶なしのメリットとデメリット
艶ありと艶なしどちらが正解ということはありませんが、それぞれメリット・デメリットがあるため、塗料選びの際は艶に関しても考慮することが大切です。
艶ありのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・艶なしよりも1~2年ほど耐用年数が長い ・新築のような光沢のある仕上がりになる ・汚れが付着しにくい |
・艶は数年で消えてしまう ・光りの当たり具合では眩しく感じる ・安っぽく見える場合がある |
艶ありは、耐用年数の長さや汚れにくさなどの性能面に優れているメリットがあります。
ただ、艶の程度や見た人の感じ方によっては、眩しく見えたり、安っぽい印象になってしまう場合があるので注意が必要です。
艶なしのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・マットな仕上がりで落ち着いた印象になる ・高級感や重厚感を演出できる ・和風な住宅にマッチする |
・艶ありに比べて若干、耐久性に劣る ・汚れが付着しやすい ・艶なしを選べない塗料がある |
艶なしは、建物のイメージに合わせて落ち着いた温かい雰囲気や、高級感などを醸し出すことができるといったデザイン面でのメリットが多いです。
しかし、耐久性が低めで汚れも付着したすいので、性能重視の方には大きなデメリットとなるでしょう。
艶を選ぶときのポイント
艶の種類を選ぶときのポイントや注意点は、次の通りです。
色選びも重要ですが、艶の度合いも仕上がりに大きく影響するため、しっかりと艶の見え方も確認する必要があります。
色見本で確認する
艶の程度をチェックする際は、必ずA4サイズ以上の色見本で確かめるようにしましょう。
カタログの小さい色見本の場合、実際に外壁のような大きな面積に塗装したときのイメージがつきにくく、「思っていたよりも光沢あって眩しい」「イメージと違う…」といったことが起こる可能性があります。
色見本は塗料メーカーが発行しているので、塗料選びをする時は、大きめの色見本を業者に用意してもらうようにしましょう。
外で確認する
カタログや色見本を見る時は室内で行うと思いますが、色見本を確認するときは、外に出て確認しておくようにしましょう。
艶は光りの当たり具合によって見え方が変わり、さらに室内の蛍光灯の光りと太陽光でも感じ方が違ってきます。
そのため、実際に太陽光が当たっている時に、どのように見えるのかをチェックすることが重要です。
絶対に失敗したくないという方は、天候が良い日と悪い日、朝・昼・晩の時間帯による違い、下から2階部分を見上げた時の艶の感じ方など、あらゆる条件下で試してみるといいでしょう。
付帯部の艶を確認する
外壁・屋根塗装行う際は、付帯部の塗装も行うため、付帯部に使用する塗料の艶の有無についても聞いておくことが大切です。
例えば、外壁を艶なし塗料で塗装したときに、付帯部に艶あり塗料が使われていると、付帯部の光沢が目立ちすぎたり、建物全体のバランスが悪くなってしまう可能性があります。
塗料は艶ありがベースとなっているため、外壁や屋根以外の部分に関しても、艶の見え方を相談しておくようにしましょう。
まとめ
艶の種類は、艶なし(艶消し)、3分艶、5分艶(半艶)、7分艶、艶ありの5種類あります。それぞれ見え方や耐久性が変わるため、しっかりとメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。
そして、艶を選ぶときは大きめの色見本を用意してもらい、太陽光の下で艶の感じ方を確認することが重要なポイントとなります。
また、塗料によって艶の有無は異なるので、希望がある場合は事前に業者に相談しておくといいでしょう。