アルミサッシの劣化とメンテナンス方法

アルミサッシの原料であるアルミニウムは非鉄金属と呼ばれ、住宅の一般的な金属部の鉄に比べて耐久性が高いのが特徴です。

しかし、白い点々のような錆びや塗膜の剥がれなどの劣化が出た際は、メンテナンスの必要があります。メンテナンスは、塗り替えか交換の2通りの方法があります。

アルミサッシの塗装料金と交換料金の比較

塗装料金は、1か所を塗装するのに4万～6万円です。

交換の場合は、1か所につき15万円～20万円程度の費用がかかります。

塗装と交換の費用を比べた場合、交換の方が圧倒的に高額で、塗装の3倍～4倍程度費用がかかります。そのため、塗り替えでメンテナンスを行うことが多いです。

アルミサッシを塗装するときの注意点

一昔前までは、アルミニウムの塗り替えは一般的ではありませんでした。塗膜が密着しにくく、剥がれやすいためです。今でも施工を断る業者もいます。

ですが、最近は塗料自体も進化しており、専用の塗料も開発されているので、塗装をすること自体は可能です。ただし、通常の塗装とは異なる注意点があります。

アルミサッシ専用の高圧洗浄機

アルミサッシも塗装面を洗浄する必要がありますが、外壁や屋根に使用する高圧洗浄機では圧力が高すぎるため、破損や室内への浸水が起きてしまいます。

そのため、破損や浸水を起こさずに、汚れを落とすことができる専用の高圧洗浄機を使用します。

専用塗料の使用

アルサッシには専用の塗料を使用します。鉄に使用する塗料だと密着が悪く剥がれやすいため、施工不良が起こる可能性が高いからです。

下塗り材は、非鉄金属の密着性の低さを改善できる、非鉄バインダーと呼ばれる種類の下地材を使用します。中塗り、上塗りに関しても、鉄金属用の専用塗料の上塗り材を使用します。

アルミサッシを塗装するときの流れ

アルミサッシを塗装するときは、次のような手順で作業を進めていきます。前述したように、アルミサッシを塗装する際は専用の塗料を使用することが大切です。

1.下地処理

塗装をする前に、まずは下地を整えます。下地処理は、塗装の出来映えや耐久性に関わる重要なポイントです。

専用の高圧洗浄機で汚れを洗い流したり、サンドペーパーを使って古い塗膜やサビを除去していきます。汚れや塗膜が残ったまま塗装をすると、色ムラや早期の剥がれに繋がってしまうため、丁寧な作業が必要です。

2.養生

サッシ以外の部分に塗料が付いてしまわないように、養生テープを貼って保護します。養生することでサッシ以外の部分が汚れずに済み、仕上がりが綺麗になります。

3.下塗り

中塗り・上塗りの密着性を高めるために、下塗り塗料を塗布します。使用する塗料は、アルミに対応しているものを選ぶことが重要です。

下塗りを怠ったり、塗装後の乾燥が不十分だと、中塗り・上塗り塗料がしっかりと密着せずにすぐに剥がれてしまいます。

4.中塗り・上塗り

下塗りが乾燥した後は、中塗り・上塗りを行います。下塗りのときと同様に、アルミに適した塗料を使用します。

また、中塗り・上塗りで使用する塗料は、基本的に同じものを使います。塗料を重ね塗りすることによってムラのない仕上がりになり、塗料本来の耐久性も発揮できるようになります。

5.養生を剥がす

最後に養生テープを剥がして完了です。

アルミサッシの塗装をDIYするのは難しい

DIYでアルミサッシの塗装を行うのは、オススメできません。理由は、専用の高圧洗浄機が必要になったり、素人による塗装ではすぐに剥がれてしまうからです。

家庭用の高圧洗浄機を持っている方も多いかと思いますが、家庭用のものではアルミサッシを傷つけてしまう恐れがあります。また、DIYで汚れや古い塗膜、サビを完全に除去することは難しいので、塗装がしっかりと密着せずに早期に剥がれるといったデメリットも挙げられます。

塗装業者であれば、専用の機械を持っており、適した塗料の提案も可能です。色ムラがなく、耐久性を維持できる仕上がりを求めている方は、専門の業者に依頼するのがいいでしょう。

まとめ

アルミサッシのメンテナンス方法は、塗装もしくはサッシの交換の2通りあります。

塗膜の剥がれや軽度のサビなどがみられる場合は、塗装することで美観を回復できます。ただし、サッシ自体が歪んでいたり、傷やサビが激しい場合は、塗装では完全に直すのが難しいので交換が必要になります。

アルミサッシの塗装は通常の塗装とは流れが異なるため、塗装を長持ちさせるためにも、専用の高圧洗浄機や塗料を使用することが重要です。