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更新日:2019/05/14

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

セラミック系塗料と言われたら注意が必要?訪問販売が良く使う塗料

【この記事の要約】

セラミックと聞くと、耐久性がいいイメージや凄そうなイメージがあるかもしれませんが、外壁塗装の場合は訪問販売から「セラミック系の塗料だから長持ちです!」と言われたら注意が必要です。ガイナなどの例外もありますが、あくまでもベースとなるシリコンやフッ素などの合成樹脂で耐久年数は決まります。

ここでは、「セラミック塗料とはどういうものなのか?」「なぜ、訪問販売にセラミックと言われると注意した方がいいのか?」について説明していきます。

セラミック系塗料だから長持ちは嘘!?

セラミック系の塗料だから長持ちというのは、100%嘘ではありませんが、ほとんどの場合で嘘なので注意が必要です。

何故なら、セラミックが100%の塗料は存在せず、シリコン系にセラミックが入った塗料、フッ素系にセラミックが入った塗料という認識で、耐久年数は塗料のグレードで決まるからです。

シリコン系、フッ素系、というような塗料のグレードの1つにセラミック系の塗料があると勘違いしている方が多いですが、これは間違いです。訪問販売がよく「セラミック塗料だから長持ち」と言い、相場以上に高い価格を提示することがあります。

塗装業界では、セラミック塗料という定義が曖昧で「セラミックが●●%含まれていたらセラミック系の塗料」というような決まりがなく、少しでもセラミックが混ざっているとセラミックの塗料と言われます。

現在、セラミック系の塗料と言われる塗料には、大きく分けると以下のようなものがあります。

3つあるセラミック系塗料の特徴

着色骨材が入った石調塗料(山本窒業:塗料メーカー)

訪問販売がよく使う塗料がこれで、実際には山本窒業のOEMの塗料で商品名が変更されている場合が多いです。平米単価が9,000円を超えるような場合もあります。

陶磁器(≒セラミック)や天然石が入っているため、セラミック系の塗料と言われることがありますが、陶磁器や天然石は耐久年数には関係なくデザイン性のためだけに入れられます

顔料が入っていないため、色あせなどはしにくいですが、石調塗料だから耐久年数が長くなるわけではありません。石調塗料は最後に塗るクリヤー塗料を塗るので、耐久年数はクリヤー塗料グレードに準じます

勘違いしてほしくないのは、このような石調塗料が良くないということではありません。訪問販売が営業の際に「セラミックが入っているので長持ちします!」というようなことを言い、相場よりも高い金額で提案することが問題です。山本窒業の塗料自体は評判がいいです。

低汚染塗料といわれる塗料

塗装専門店などでよく使われる塗料がこの塗料です。通常のシリコン系の塗料の中に、無機化合物のシリカ(二酸化ケイ素 SiO2)を含んだ塗料のことを言います。

塗膜表面に、このシリカ微粒子がくるように配合されていて、表面が低帯電性や親水性が高くなり、汚れが落ちやすくなります。

耐久年数は、シリコンやフッ素などに準じるので、この塗料だからと言って耐久年数が長くなるわけではありません。汚れにくいのと耐久年数が長いのは別です。耐久年数は、塗膜が機能しているか?していないかです。

よく使われる塗料は以下の通りです。
水性セラミシリコン [エスケー化研]
クリーンマイルドフッソ [エスケー化研]
水性シリコンセラUV [日本ペイント]
ファイン4Fセラミック [日本ペイント]

ガイナなどの断熱効果のある塗料

断熱塗料あるいは遮熱塗料といわれている塗料もセラミック系塗料と言われています。これらの塗料は、商品により仕様が異なりますので、ガイナの例で説明します。

通常の塗料は、樹脂(ゴム)が100%で出来ていますが、ガイナはシリコン樹脂の中にセラミック製の微小中空体の粒子(セラミックビーズ)が含まれています。

セラミックを少しでも含んでいれば、セラミック系の塗料と言われますが、ガイナの場合は8割がセラミック、2割がシリコン樹脂です。但し、塗膜がセラミックになるわけではありません。

セラミックは耐熱性がとても高い素材なので、セラミックを多く含むガイナには、断熱効果など様々な機能があります。

ガイナには、認定施工店制度があり、塗料メーカーが審査した塗装店しか施工することができないので、石調塗料のように提案されたから注意が必要ということはありません。

平米単価は3,800~4,500円です。5,000円を超えるような場合は、相場よりも高いです。
実際にガイナを使用した人の感想や業者からの評判はこちら

もし「セラミック塗料だから長持ち」と言われたらするべき質問とは?

断熱塗料のガイナのように、セラミックが多く配合されている塗料なら問題はありませんが、基本的には「セラミック系の塗料だから長持ち」というのは間違っています。そもそも何と比べて長持ちなのか…。

もし、このような提案をしてくる業者がいたら「耐久年数は、セラミックではなくベースとなる塗料のグレードで決まるのではないですか?」や、石調塗料の提案の場合には「最後に塗るクリヤー塗料のグレードで耐久性が決まるのではないですか?」このように質問してみるのもいいかもしれません

※本来は樹脂のグレードという表現が正しいかと思いますが、樹脂って??という方が多いと思うので、塗料のグレードとしています。

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塗料の種類別の詳細

新しいピュアアクリルなどの特殊な塗料以外はもう使用されない。

付帯部以外では、ほとんど使用されない。シリコンの前に主流だった塗料。

耐久年数と価格のバランスがよく最も使われている塗料。

今、最も注目されているされている塗料。値段がシリコンと同等で、耐久性がシリコンとフッ素の間。

耐久性も高いが、値段もかなり高い。外壁はシリコン、屋根はフッ素という使われ方をする。

太陽の光で汚れを分化し、雨の水で洗い流す特殊な機能がある。耐久性も長いが、単価も高い。

塗料のグレードの中で最も高く、耐久性も最も高い。新しい塗料で注目されている。

塗料選びに役立つ知識

設計単価や出荷証明など業者でなければ知らないような言葉について説明しています。また、良くある質問にも回答しています。

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