2016年3月に関西ペイント株式会社から発売されたラジカル制御型塗料(ハルスハイブリット塗料)のダイナミックトップ。

日本ペイント、エスケー化研のラジカル制御型塗料を追う形で発売され、三大塗料メーカーからラジカル制御型塗料が出揃いました。

エスケー化研と同じく、樹脂にはシリコンが使われています。

特徴とメリット

他のラジカル制御型塗料と同じく、シリコン塗料より数万円高いだけで耐久年数がフッ素より少し短いのは同じです。ダイナミックトップの最大の特徴は、強化剤を入れることで多少の雨など湿度の高いところでも塗装できる点です。

今までの塗料は、雨などの湿度が85％以上になる場合は塗装することができませんでした。その常識を覆したのがこの塗料です。

4つの技術で紫外線から建物を守る

紫外線を浴びても、高性能なシリコンレンジで紫外線による劣化を阻止します。

シリコンレンジをすり抜けた紫外線はUVトラップで無効化。バリアコートでラジカル発生を抑制し、発生してしまったらラジカルは無効化します。

超低汚染

汚れにくく、カビや藻なども付着しにくです。

安全性

ダイナミックトップは水性の塗料のみです。F☆☆☆☆なのでホルムアルデヒドの放散量が少ない環境に優しい塗料です。

ダイナミックトップ専用の下塗り材

ダイナミックトップを塗装する際は、ダイナミックフィラーという専用の下塗り塗料を使用します。専用の下塗り塗料を使うことで、ダイナミックトップ本来の性能を十分に発揮できます。

艶の種類

艶有り・7分艶・5分艶・3分艶　※日本ペイントのパーフェクトトップは艶消しあり

適用下地

コンクリート・モルタル・窯業系サイディングボード・ALC・各種旧塗膜

メーカー発表の耐久年数

15年

デメリット

実績が少ない

ダイナミックトップは2016年に発売された製品のため、現段階では施工実績が少ない状況です。

耐用年数は15年とされていますが、発売されてからまだ15年経っていないので、実際の環境下できちんと耐久性が発揮されるか、何か不具合が起こらないか等といった点は現時点ではまだ判断できません。

メーカー側でも研究や実験をしっかりと行って開発していますが、実績が無いことに関して不安を感じている方は、実績が豊富にある従来のシリコン塗料やフッ素塗料を使用するのがいいでしょう。

他のラジカル制御型塗料と比べると価格が高い

ダイナミックトップは他の他のラジカル制御型塗料と比べると、やや金額が高めの塗料です。

日本ペイントの「パーフェクトトップ」と、エスケー化研の「プレミアムシリコン」の単価は、ともにm2あたり2,200円～2,800円が相場ですが、ダイナミックトップの場合はm2あたり2,500～2,900円程になります。

色によっては性能が十分に発揮できない

ラジカル制御機能は、塗料の色が白や淡い色でなければ十分に発揮できません。

理由は、塗膜の劣化原因となるラジカルは、白系の塗料で使う顔料に含まれる「酸化チタン」が紫外線に当たることで発生するからです。対して、黒に近い濃い色や原色は、この酸化チタンの含有量が少ないので、そもそもラジカルの発生量も少なくなります。

ラジカルの発生量が多ければ、ラジカル制御機能による効果もわかりやすいですが、ラジカルの発生量が少ないと、ラジカル発生を抑える働きをしていたとしても、大きな効果は感じられないでしょう。

白や淡い色を使用して劣化をできるだけ抑えたい方にはオススメですが、濃い色や原色を使用したい方にとっては、ダイナミックトップを選ぶメリットはあまりないと言えます。

塗料の価格や単価

関西ペイントのサイトに掲載されている設計価格は以下の通りです。実際に施工するときには3回塗りの合計単価で2,500～2,900円/m2あたりになります。

実際にダイナミックトップを使用した業者からの評判

	パーフェクトトップより値段が高いですが、その分ダイナミックトップの方が優れていると思います。
	雨の日でも作業できるのは施工する側としては助かりますが、お客さんは本当に大丈夫なのか不安だと言います。
	メーカーの話はわかるが、実際に雨の日に塗装をするとお客様が嫌がります…。

公式サイト

https://www.kansai.co.jp/alesdynamic/top/index.html

その他のラジカル制御型塗料

・パーフェクトトップ
・エスケープレミアムシリコン
・スーパーラジカルシリコンGH

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塗料の種類別の詳細

アクリル塗料

新しいピュアアクリルなどの特殊な塗料以外はもう使用されない。

ウレタン塗料

付帯部以外では、ほとんど使用されない。シリコンの前に主流だった塗料。

シリコン塗料

耐久年数と価格のバランスがよく最も使われている塗料。

ラジカル制御型塗料

今、最も注目されているされている塗料。値段がシリコンと同等で、耐久性がシリコンとフッ素の間。

フッ素塗料

耐久性も高いが、値段もかなり高い。外壁はシリコン、屋根はフッ素という使われ方をする。

光触媒塗料

太陽の光で汚れを分化し、雨の水で洗い流す特殊な機能がある。耐久性も長いが、単価も高い。

無機塗料

塗料のグレードの中で最も高く、耐久性も最も高い。新しい塗料で注目されている。

塗料選びに役立つ知識

設計単価や出荷証明など業者でなければ知らないような言葉について説明しています。また、良くある質問にも回答しています。