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更新日:2019/08/29

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

光触媒塗料で塗装する場合は注意!光触媒塗料の特徴と単価

「光触媒はトラブルが多いって聞いたけど本当でしょうか?」

「訪問販売が光触媒をオススメしてきたけど、本当に良い塗料ですか?」

「セルフクリーニング機能を期待したのに、すぐに汚れた…」

何かとトラブルが多い光触媒塗料。少し前は次世代の塗料として期待されましたが、圧倒的なシェアを誇っていたTOTOのハイドロテクトコートの生産が終わり、その勢いはなくなりました。

メーカーが発表していた特徴としては、光触媒塗料は塗るだけで緑地と同じ空気浄化効果がある、セルフクリーニング機能があり、自然の力で汚れを落とすことができるという他の塗料にはない特徴がありました。

しかし、トラブルが多くあり使われなくなりました。それでも、光触媒で塗装を考えている方のために、このページを読めば光触媒塗料の情報が全て理解できるようになっています

【この記事の要約】

光触媒塗料は、メーカー発表では、耐久性が長く、セルフクリーニング機能や空気浄化効果など、機能性が高い塗料です。しかし、訪問販売の業者がよく提案する塗料で、トラブルが多いといった一面もあります。

また、光触媒で圧倒的なシェアを誇っていたTOTOハイドロテクトコートが2017年6月26日で生産・販売を停止したことにより、あまり使われない塗料グレードになりました。

≪30秒で理解!≫この記事の要点を漫画でチェック

光触媒塗料とは

光触媒塗料とは、酸化チタンを原料とした塗料で、紫外線を受けることで化学反応を促進して汚れを分解し、雨水で洗い流すことができます。

光触媒塗料の特徴(メリット)

【メリット1】セルフクリーニング機能

塗料の白色顔料の原料である酸化チタンが、太陽光にあたると活性酸素を作り、汚れを分解します。また、塗膜が超親水状態という水を弾く状態になることにより、雨が降ったときに分解した汚れを洗い流します。この2つの機能を合わせてセルフクリーニング機能と言います。

さらに、汚れを分解する効果により除菌効果、抗カビ、防藻効果もあります。簡単に言うと、汚れを浮かせて雨で流し、汚れにくい外壁になるということです。ただし、土や砂などの無機質系の汚れは分解できません。

【メリット2】空気浄化効果

使用する塗料やグレードにもよりますが、TOTOの光触媒の中でも最も高いグレードで塗装をすると、延床面積30坪(外壁面積150m2)の戸建て住宅で、テニスコート4面分(約1000m2)の緑地と同じ空気浄化効果があり、乗用車12台が排出する二酸化炭素などの窒素酸化物を除去できることになります。

【メリット3】遮熱機能によりヒートアイランド現象を軽減

全ての塗料ではありませんが、ハイドロテクトコートやピュアコートANプラスなどでは、太陽光を反射することで遮熱し、蓄熱を抑えることで放熱を減ら効果があります。

光触媒塗料の特徴(デメリット)

【デメリット1】塗料が高い

塗料の中でも最も高いグレードです。単価は4,200~5,000/m2なので、シリコン塗料と比べ約2倍です。

ただし、メーカー発表の耐久年数が20年で、この通り持つならば、長い目で見ると塗り替え感覚が長く、長い目で見ると安くはなります。

【デメリット2】色や艶の種類が少ない

光触媒は、白色顔料の酸化チタンが反応を起こすことで機能するため、白色顔料があまり使われない濃い色の塗料はありません。また、艶は5分艶か艶消となります。

【デメリット3】太陽が当たりにくいところでは効果が出にくい

太陽光の力で汚れを分解し雨で流すので、当然ですが太陽光や雨が当たらないところでは効果が低くなります。

例えば、軒が長く出ている家の場合、軒天井と外壁の隣合わせ部分の壁には光も雨も当たりにくく、他の個所が綺麗な分、汚れが目立つことがあります。

また、あまり多くはありませんが、家全体が日が当たりにくい場合は、セルフクリーニングの効果は出にくいです。

【デメリット4】無機質の汚れは分解できない

錆びや黄砂、火山灰などの、無機質の汚れを分解する事はできません。また、樹液や鳥の糞などの強固な汚れに対して、十分な効果が発揮出来ない場合があります。

【デメリット5】塗る職人により差が出やすい

2014年までTOTOのハイドロテクトコートは、普通の塗料と比べ施工方法に癖があるため、認定施工店制度という限られた塗装店のみが塗装できる塗料でした。そのため、塗る職人がしっかりしていないと、光触媒の効果も軽減するということがありました。

例えば、通常の塗料だとローラーをコロコロ回しながら塗装をしますが、ハイドロテクトコートの場合は、ローラーをロックした状態で塗ります。また、最初は青色ですが、直ぐ白になるから塗り忘れが出るなどの問題がありました。

【デメリット6】工程が多い

通常の塗料は3回塗りに対して、光触媒塗料は、上塗りの後に光触媒コーディングを施すため、4回塗りです。工程が1つ多いので、その分の工期が長くなります。

光触媒塗装に関する注意点

訪問販売の業者に光触媒の提案を受けたら注意!

訪問販売の業者は、塗料の単価が高い塗料を使う傾向にあります。その中には光触媒を提案してくる業者も多いです。光触媒そのものが悪いわけではなく、訪問販売が提案する光触媒は、実績がないような塗料で、さらに平米当たりの単価が1万円を超えているような場合もあります

過去に日本で圧倒的なシェアがあったTOTOハイドロテクトコートでも平米当たり4,200~5,000/m2です。訪問販売に光触媒を提案されたら、まずは相見積を取ることをお勧めします。

屋根用の塗料がない

光触媒は、外壁用の塗料のみの販売となっています。

何かとトラブルが多い

過去に光触媒のシェアの多くを占めているTOTOハイドロテクトコートですら、メーカー発表と相違があるなどトラブルがあります。その結果、2017年6月26日で生産・販売を停止しています。

代表的な塗料

外壁用塗料

塗料名

メーカー

平米単価 ※3回塗りの合計
ハイドロテクトカラーコート TOTOエクセラ(株) 4,200~5,000/m2 ※2017年6月26日で生産停止
ピュアコートシリーズ (株)ピアレックステクノロジーズ -

屋根用塗料

光触媒は屋根用の塗料はありません。

塗料グレードによる単価、耐久性 徹底比較

グレード

耐久性

単価(m2) ※3回塗りの合計
アクリル 5~7年 1,400~1,600円
ウレタン 8~10年 1,700~2,200円
シリコン 10~15年 2,300~3,000円
ラジカル制御型 12~15年 2,500~3,000円
フッ素 15~20年 3,800~4,800円
光触媒 15~20年 4,200~5,000円
無機 20~25年 4,500~5,500円
【まとめ】

最後に、光触媒塗料のおさらいです。

・とにかくトラブルが多い塗料。業者に光触媒を進められたら注意。必ず相見積もりを取り色々な業者から話を聞く。

・セルフクリーニング機能があるので、太陽光により汚れを分解し、雨水で洗い流すことができる。ただし、日光が当たらない場所、無機物(錆び、黄砂、火山灰)は分解できないので、綺麗にならない。

・周りの空気を浄化効果があり、延床面積30坪の戸建て住宅で、テニスコート4面分(約1,000m2)の緑地と同じ空気浄化効果がある。

・塗料の単価が高い。1平米当たり4,200~5,000円円(3~4回塗りの合計単価)

その他、塗料に関するコンテンツ

塗料に関するお役立ちコンテンツ

当サイトに参加している優良業者に、自分の家を塗装すると仮定してどの塗料を使うか選んでもらった結果を公開。これを見れば本当に人気の塗料が分かります。

塗料の種類別の詳細

新しいピュアアクリルなどの特殊な塗料以外はもう使用されない。

付帯部以外では、ほとんど使用されない。シリコンの前に主流だった塗料。

耐久年数と価格のバランスがよく最も使われている塗料。

今、最も注目されているされている塗料。値段がシリコンと同等で、耐久性がシリコンとフッ素の間。

耐久性も高いが、値段もかなり高い。外壁はシリコン、屋根はフッ素という使われ方をする。

太陽の光で汚れを分化し、雨の水で洗い流す特殊な機能がある。耐久性も長いが、単価も高い。

塗料のグレードの中で最も高く、耐久性も最も高い。新しい塗料で注目されている。

塗料選びに役立つ知識

設計単価や出荷証明など業者でなければ知らないような言葉について説明しています。また、良くある質問にも回答しています。

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