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新築で雨漏りする原因と対処法
一般的に、雨漏りは築年数の経った建物で起こることが多いですが、実は新築でも雨漏りするケースはあります。雨漏りは建物の寿命を縮め、資産価値を下げる原因にもなってしまうため、早めに対処する必要があります。
このページでは、新築で雨漏りする原因や対処法などを説明いたします。雨漏りでお困りのい方やこれから新築を考えているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
新築で雨漏りする原因
新築で雨漏りする原因と挙げられるのは、「施工不良」と「自然災害」の2つです。
施工不良
新築物件で雨漏りしている場合は、施工不良が原因となっている可能性があります。考えられる施工不良はいくつかあり、例として次のようなケースが挙げられます。
・浸水を防ぐ役割を持つ防水シートの貼り方に不備があった
・雨樋が正しく設置されていなかった
・屋根頂上部に設置されている棟板金がきちんと固定されていなかった
・ベランダ防水に不備があった
・床面の勾配に不備があった
・建材同士の継ぎ目がしっかりと処理されておらず、隙間が開いていた
これらの不備は経年劣化でも起こりうる現象ですが、施工不良があると築数年で発生してしまいます。
自然災害
施工不良の他にも、自然災害が原因で雨漏りする場合もあります。
例えば、豪雨・突風による衝撃や風で飛んできた物によって屋根材が破損したり、地震による揺れで外壁材にヒビが入った、雪の重みで雨樋が歪んでしまった等の現象が起こると雨漏りを引き起こす恐れがあります。
建材の破損を放っておくと、建物全体の劣化を加速させる原因にもなってしまうため、地震や強風などが発生した後は建物に異常が無いかを確認し、もし破損がみられる場合は早期に対処することが大切です。
新築の雨漏り修理で使える保険
新築で雨漏りした場合は、次のような保険を利用して修理できる可能性があります。適用条件は築年数や発生原因などによって異なるため、万が一の時に備えて内容を把握しておくようにしましょう。
築10年未満の場合は瑕疵保険が適用される
築10年未満で雨漏りした場合は、瑕疵担保責任が適用される可能性が高いです。
瑕疵担保責任に関しては法律で定められており、新築の引き渡しから10年未満に欠陥・不具合が見つかった場合は、施工会社や売主が無償で修繕することが義務付けられています。
万が一施工会社が倒産していたとしても、住宅瑕疵担保履行法という制度によって一部の費用を補償してくれるため、施主の負担を抑えて修理することが可能です。
ただし、雨漏りの原因が自然災害やリフォーム時の不備などの場合は、瑕疵担保責任は適用されません。また、瑕疵を知ってから1年以内に保険会社に連絡する必要があります。
原因や発生箇所によってはこの瑕疵担保責任を利用して修理できることもあるので、雨漏りが発覚したら早めに施工会社に調査を依頼するようにしましょう。
自然災害による雨漏りは火災保険が使える可能性がある
築年数にかかわらず、自然災害が原因で雨漏りしている場合は、火災保険が適用される可能性があります。
火災保険と聞くと、火災による被害のみが対象となると思われるかもしれませんが、強風や豪雨、ひょうなども補償対象になるため、台風などの自然災害によって雨漏りしていると疑われる場合は火災保険の申請をしてみるようにしましょう。
ただし、実際に火災保険が適用されるかは、保険の加入状況や保険会社による判断によって異なります。また、経年劣化が原因の雨漏りは適用外です。
地震による被害は、火災保険とは別に地震保険に加入しておく必要があります。
火災保険を悪用する業者には注意!
「火災保険を使って無料で修理できます」等と謳っている業者は、要注意です。
火災保険の適用の有無は、保険会社の鑑定人による判断に委ねられるため、申請したからといって必ずしも適用されるとは限りません。さらに申請が通ったとしても修理費用を全額、補償してくれるわけではありません。
火災保険の利用を執拗に勧める業者と契約してしまうと、以下のようなトラブルに繋がる恐れがあります。
・申請の結果が出る前に工事を開始したが、申請が通らなかったために結果的に全額負担することになった
・申請が通らなかったので契約を解除しようとしたら、高額な解約金を請求された
・申請を通すために嘘の内容を保険会社に報告した
火災保険を利用して雨漏り修理すること自体は、全く問題ありません。
しかし、このように火災保険を悪用する業者もいるため、火災保険の利用を検討している場合は業者の営業トークに流されずに、申請の結果が出てから工事を開始することが重要です。
また、経年劣化による雨漏りを自然災害が原因だと嘘を付いて保険の申請をすると、業者だけでなくお客様も共犯者とみなされる可能性もあるので注意しましょう。
雨漏りした時にまずやるべきこと
応急処置をする
まずは室内で雨水が広がらないように応急処置を行い、建材や家財への被害を最小限にとどめることが大切です。
天井から雨水が落ちてきている場合は、バケツを置いて雨水を受け止めるようにします。その際に、バケツの中にタオルや新聞紙などを入れておくと、雨水が跳ね返ってバケツの外に飛び散るのを抑えられます。
また、バケツの下にもタオルやブルーシートを敷いておくことで、周囲に雨水が広がってしまうのを防げます。
その他にも、ビニールシートやブルーシートを筒状にし、上部は天井に、下部はバケツに取り付けて、天井から落ちてくる雨水をバケツまで誘導する方法もあります。
窓周りから雨漏りしているときは、室内側の水が浸入している箇所をタオルや吸収シートで押さえて、水分を吸い取ります。吸収シートの代用品として、オムツやペット用のトイレシーツも有効的です。
施工会社に連絡する
新築で雨漏りが発生した場合は、家を経てた施工会社に連絡をしましょう。雨漏りを解決するためには原因を詳しく調査し、適切な方法で修理することが重要となります。
調査の結果、施工不良が見つかった際は、前項でお伝えした瑕疵保険を使用して修理できます。また、自然災害が原因の場合は、火災保険が適用される可能性もあるので、状況をしっかりと確認してもらうようにしましょう。
まとめ
新築で雨漏りする主な原因は、施工不良もしくは自然災害です。大きな地震や台風などが発生していないにもかかわらず雨漏りしている場合は、何らかの施工不良があった可能性が高いでしょう。
もし築10年未満で施工不良により雨漏りした場合は、瑕疵担保責任によって無償で修理できる可能性があります。また、自然災害の場合でも火災保険を利用できるケースがあるため、まずはできるだけ早く施工会社に調査を依頼することが重要です。
雨漏りはシロアリやカビの発生、漏電・火災の発生、建物の耐震性の低下など様々な二次被害に繋がる危険性があるので、雨漏りを見つけたら早期に対処するようにしましょう。
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